2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ママになったことを楽しもう~おばちゃん助産師の子育てエール(22)

帯広市内の慶愛病院産後ケアセンター「クローバー」で開かれた子育て相談の茶話会の様子。1歳未満の子と母親の4組が参加した(右から2番目が筆者)

 こんにちは。十勝の子育て応援団おばちゃん助産師の中山です。

 今、ママになったことを楽しんでいますか? ママって幸せだけど、けっこう大変ですよね。

 幸せオーラ全開の妊娠中も実はあっちこっち不調で、なかなか心身ともに絶好調とは言えません。そして、命をかけたお産です。「今までで一番頑張った」とほとんどのママが言葉にするくらいです。

 慣れない子育てが始まり毎日が全力投球です。そんなママたちに「子育てを楽しもう」と、いろいろな人が呪文のようにささやいてきます。しかし現実は、楽しいとか、楽しくないとか考える余裕もなく、なんとか毎日を過ごしている感じではないでしょうか。

 先日、ママたちとの茶話会で、最近のうれしかったことを話していると「寝返りができた」「離乳食を残さず食べた」など、子どものことばかりが話題になっていました。楽しそうなママたちですが「やることが多いし、予測不可能なことばかりで楽しむ余裕がない」ともこぼしていました。

 たしかに子育ては、思い通りにならないことばかりで、落ち込んだり、悩んだりの毎日です。しかし子どもの成長が実感でき、感動の毎日でもあるのです。子どもの成長ってほんとに早くて驚きます。

 今、子どもと過ごしている時間は永遠に続くように感じますが、子どもを抱っこするのも、夜泣きに悩むのも期間限定の宝物の時間です。子どもはママが大大大好きです。全身からママへの愛が伝わってきて、思わず笑ってしまうくらいです。

 ママになったからこそ、この超モテ期が経験できます。疲れも悩みも吹っ飛びます。ママだけに与えられた特権でご褒美なのです。

 子育てを楽しむことは、特別なことをするのではなく、毎日バタバタと子どもと過ごすことなのです。せっかくママになったのだから、今を大事に楽しんでいきましょう。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在は、十勝管内で講演会や子育て相談、お母さん教室、母乳相談、産前産後ケアなどを行う。62歳。

中山由香里さん