2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

おばちゃん助産師の子育てエール(14)「つわりは『期間限定』相談も大切」

エコー写真から赤ちゃんのメッセージを受け取るママ

 こんにちは。十勝の子育て応援団おばちゃん助産師の中山です。

 今回のテーマは、8割の妊婦さんが経験する「つわり」です。

 つわりとは、倦怠(けんたい)感や吐き気など、妊娠初期に起こる体調の変化です。個人差はありますが、妊娠15~16週目ごろまで続きます。体がだるくて、一日中眠かったり、常に吐き気がして、今まで通りに過ごせない妊婦さんもいます。

 おばちゃんも、つわりの時は、どんな匂いも嗅ぎ分ける犬の鼻になり、警察犬(鼻だけ)になれる気がしました。今まで好きだったシャンプーの香りや、炊き立てご飯の湯気を感じただけで気絶しそうな気分の悪さでした。

 つわりの洗礼を受け「食べられなくて栄養取れてないけど、赤ちゃんは育っているのか?」とママは心配になります。

 大丈夫です! へその緒を通して必要な栄養は赤ちゃんに優先的にいくので、成長や発達に影響はありません。ママが痩せても、赤ちゃんは大きくなります。母体の力はすごいのです。

 この頃、妊婦健診に行くと、飛びはねる赤ちゃんの姿をエコーで見ることができます。赤ちゃんが「元気だから安心して」「頑張って」とママを応援してくれています。エコー写真を見るだけで、赤ちゃんの声が聞こえてくるようで元気がでますよ。

 しかし体の状態によっては、点滴や入院などの治療が必要なこともあります(全妊婦の0・5%ぐらい)。つわりは仕方ないと我慢せず、病院で相談することも大事です。治療が必要なければ少量ずつ食べたり、締め付けない服を着るなど、少しでも楽になる方法を見つけて工夫しましょう。

 つわりは期間限定で、時間の経過とともに良くなってきます。その先には赤ちゃんに会えるという大きな楽しみが待っています。

 ママはひとりで頑張らず、パパや周りの人に手助けしてもらいながら乗り越えていきましょう。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在は、十勝管内で講演会や子育て相談、お母さん教室、母乳相談、産前産後ケアなどを行う。61歳。

中山由香里さん