2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(7)中札内村

洪水でなくなったダムを「ピョウタンの滝」と名付けた発想の転換はお見事。コンクリート部分にダムの名残がある

清流日本一の滝落差10mの瀑布
 国土交通省が実施している水質調査で、これまでに8回の清流日本一に輝いている札内川。その上流部にある落差10mの「ピョウタンの滝」は、札内川園地の入り口で観光客やキャンプ客を圧巻の光景と轟(ごう)音で迎え入れる。

 この滝は1951(昭和26)年、中札内農協により造られた発電ダムだったが、稼働した翌年に、洪水であえなく決壊してしまった。しかし、そのダムが後に日高山脈麓の名所になるとは、誰も想像しなかっただろう。

 今年の4月から、「AOILO」代表の梶山智大さんが管理、運営を担っている。「この一帯が国立公園に昇格すれば注目度も高まり、来園者が増加するだろう」と期待を寄せると同時に、「自然と共存共生する意識をしっかりと啓発していきたい」と気を引き締めていた。

キャンプサイトは川沿いに広がり、オシャレなトレーラーハウス「住箱」も人気(いずれも有料)。夜は星空が魅力的で、週末ともなればほぼ満員に(料金一例:キャンプサイト1300円~、住箱10800円~)

札内川園地の総合案内所「日高山脈山岳センター」ではキャンプ場の受付のほか、日高山脈のジオラマなども展示されている

AOILO代表 梶山智大さん
「多くの人に親しまれる国立公園にしたい」



<札内川園地日高山脈山岳センター(キャンプ場予約)>
中札内村南札内713 Tel:0155・69・4378

ここもオススメ
一本山展望台

知る人ぞ知る「一本山展望台」(西札内)は中札内村中心部から道道55号へ。上札内市街の少し手前から西の方向に曲がると看板が見えてくる。眺めのいい一本山の頂上に1990年に完成し、高さは24m。タワーの上がり口まで来るには階段を352段登らなければならないが、ひと汗かくと、この広大な十勝平野が眼下に広がる。苦労を忘れる眺望だ


取材協力/株式会社AOILO 中札内村東1条北3-17-2
中札内村観光協会 中札内村大通南7丁目14
Tel:0155・68・3390

豆!情報
日高山脈山岳センターでは中札内村特産の田舎どりを丸ごと1羽使用した〈自家製ローストチキン〉を発売。(2,500円、土曜限定、3日前までに要予約)

※フリーマガジン「Chai」2021年8月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島

 「日勝半島」って知っていますか? 十勝南部と日高東部を指す新しい言葉で、日高山脈や海岸線が育む、豊かな自然が残ります。日高山脈を含むこのエリアの多くはちょうど、「日高山脈襟裳国定公園」の国立公園化に向けて、その生態系に注目が高まっている最中。日高を東へ、十勝を南へ―。改めてその自然の魅力を写真で切り取りました。

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(11)日高山脈襟裳国定公園

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(10)大樹町

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(9)広尾町

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(8)更別村

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(7)中札内村

日高を東へ十勝を南へ~自然を感じて 日勝半島(6)帯広市