2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

てくてく名店さんぽ(55)最終回「BAR fishborn」

2011年5月のオープン以降、ボトルは増え続け、棚は全て秋元規秀店主の手作り。ジャパニーズウイスキーは昭和のオールドボトルから地域限定、蒸溜所限定、シングカスクなどをそろえる

1杯のウイスキーで人生が変わる
 2018年に発刊されたウイスキー好きのバイブル的な専門書「ウイスキー・ライジング」で「日本で一番ジャパニーズウイスキーの種類が多いお店」として紹介された。現在は約1300種類のウイスキーをそろえ、その7割近くを国産が占める。

 毎日更新するブログとSNSを通じ、その評判は日本中を駆け巡り、今では客の8割近くが東京や大阪、札幌など遠方から足を運ぶ。電話での「今夜はやっていますか」の問い合わせにイエスと答えると「では今から飛行機に乗ります」と、女性客がフラっとやってきたという逸話も。

 レアなボトルが高値で取り引きされ、敷居の高さを感じる人もいるかもしれない。しかし、メニューには全て金額が明記され、その価格は都会の半分ほど。ブログに記されている「肩肘張らない気楽なバーです。『お一人様』でもお気軽にどうぞ。ウイスキーの楽しみ方、飲み方をグラスの持ち方からお伝えいたします」の文句に嘘偽りはなく、初心者には4杯ハーフセット3500円をお勧めしている。ウイスキーの歴史や銘柄の特徴、蒸留所の思いを聞きながらたしなむ一杯は、なんとも味わい深い。

「おいしい!お酒のアテにぴったり!」と評判になり、定番化した〈自家製ティラミス〉500円。季節限定のスイーツも登場する

2022年10月に虹の橋を渡った看板犬のシロップ。マルスウイスキー駒ヶ岳や厚岸蒸留所シングルカスクのプライベートボトルになり、ウイスキーファンの架け橋となっている


<BAR fishborn(バー フィッシュ・ボーン)>
帯広市自由が丘2丁目11-16
Tel:0155・66・9145
営:18時~24時(22時以降ノーゲストの場合は閉店)
休:日曜、祝日(前々日までの予約で営業)
※4月より17時オープン


てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年4月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。