2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

あっぱれ!十勝のあん(5)「あんを楽しむ 三日月形の愛され菓子~中華まんじゅう」

〈中華まんじゅう〉1個300円は、中華だね(皮)の香ばしさが小豆の風味を引き立てる。十勝や札幌の催事における実演販売ではいつも行列ができる人気

 片面がこんがり焼き上がったら、たっぷりのこしあんを載せて、指先でひょいと生地の端をつまむ。丸みのある竹具に押し当てると、三日月形の艶やかな菓子が次々とでき上がった。 

 創業105年の老舗「まさおか」の看板商品・中華まんじゅう。作り始めたのは、初代の正岡林造さんだ。最初は法事などのお返しものとして注文を受けて販売していたが、今や十勝のあん菓子の代名詞と言っても過言ではないほど親しまれている。

 十勝産小豆のあんは、砂糖や水あめを加えて釜で4時間じっくりと練り上げ、砂糖の粒子となじませて照りを出す。小麦粉や砂糖、卵が入った薄皮に包むのは、1個当たり70g。まるであんにかぶりつくようなずっしりとした菓子は、1日置くとその水分が生地に移って、うま味が増す。

 「大地の恵みに感謝しておいしい菓子を提供し続けます」と、会長の宣征さんと社長の崇さん。11月からはカスタード味も登場する。食べ比べもお勧めだ。

50kgのあんを一気に練り上げる

180℃の焼き台を使ってテキパキと焼き上げるのは宣征さんの仕事

生地の幅は約18cm。ボリューム満点!

店では十勝や芽室町にちなんだ菓子を多く扱う

「菓子で幸せな気持ちになってほしい」と会長の正岡宣征さん(左)と4代目社長の崇さん


<お菓子のまさおか>
芽室町東1条2丁目2
Tel:0155・62・2118
営:9時~ 19時(日曜は~18時)
休:元日のみ

※フリーマガジン「Chai」2021年11月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。

あっぱれ!十勝のあん

 十勝は小豆の一大産地。肥よくな大地で育まれた小豆から作るあんは、風味豊かで、十勝はもちろん、全国の和洋菓子店などで愛されています。さて、このあんが今、コロナ禍で需要が減っています。お膝元の十勝からその魅力を見つめ直し、おいしいあんをもっと楽しみませんか?あっぱれ、十勝のあん―。農家や菓子店の皆さん、そして十勝っ子が愛してやまない「あん」に贈る、応援企画です。
※掲載情報は2021年10月12日時点のものです。各店の営業状況は変更になる場合があります。事前にご確認ください。
※取材時のみ特別にマスクを外して撮影しています。

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