十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年6月号

特集/酒場をめぐる冒険

Chai法律相談(182)「相続放棄した場合、被相続人の固定資産税を支払う必要はありますか」

【質問】
 父親が亡くなりました。父親は不動産を所有していましたが、借金も残されていたことから、私は相続放棄をして財産を相続しないことにしました。しかし、私の自宅に父親の所有していた不動産の固定資産税の請求書が届きました。相続放棄をしましたが、支払わなければならないのでしょうか。

【回答】
相続放棄を行えば負担しなくても良いのが原則ですが、タイミングによっては納税義務が発生します。

 固定資産税は、固定資産課税台帳に登録された者に課税されます。課税台帳に登録されるのは1月1日時点での所有者(所有者死亡の場合には相続人)です。相続放棄を行った場合、相談者は初めから相続人ではなかったことになります。そのため、年内に被相続人が死亡し、相続放棄手続きが年をまたぐ場合は、注意が必要です。

(1)1月1日時点で被相続人が存命の場合。課税台帳に登録される被相続人が納税義務者です。その後、被相続人が死亡し相続放棄をした場合、相談者は被相続人を相続しません。よって納税の義務はありません。

(2)年内に被相続人が死亡し、相談者が相続放棄手続きを1月1日よりも前に完了させた場合。被相続人も相談者も課税台帳に登録されません。よって納税の義務はありません。

(3)年内に被相続人が死亡し、1月1日までに相続放棄手続きを完了できなかった場合。課税台帳には相談者が登録されます。その後、相続放棄を行っても、相談者に納税の義務が生じます。

(1)や(2)の場合には、相続放棄受理証明などを提出して、相続放棄の事実を証明してください。

今回の回答にご協力いただいたのは
[石王大樹 弁護士]

事務所/弁護士法人 斉藤道俊法律事務所
帯広市東3条南14丁目8
Tel:0155・26・3133


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2024年2月号より。